投稿日 2023-04-03 | 最終更新日 2023-11-29
代車が有料なのは違法なのか
代車とは、車を一定期間預けた際にその代わりとして用意される車全てを指します。
車を預けている間にレンタカーを用意されていても、そのレンタカーを代車といいますので注意してください。
また、ディーラーや修理工場などが用意してくれる「わナンバー」ではない車のことは工場代車やサービス代車などと呼ばれています。
代車の呼び方は以下の通りです。
■ 代車としてレンタカーを借りる
■ 代車として工場代車(サービス代車)を借りる
代車としてレンタカーを借りた場合は料金が発生しますし、それは違法ではありません。
代車として工場代車(サービス代車)を借りた場合は、料金を請求することは違法になります。
工場代車(サービス代車)が有料なのは違法?
工場代車(サービス代車)とは修理工場やディーラーが、修理や車検や点検などでお客様から車を預かっている期間に代車として出せるように所有している車を指します。
工場代車は「わ」、「れ」ナンバーではないので、このレンタカー事業者登録していない(「わ」、「れ」ナンバーではない)車を貸し出して利益を得ることは法律で禁止されています。(道路運送法80条1項の違反)
ですので工場代車を借りる機会があった場合、基本的には無料で貸してもらえることになります。(中には料金を請求してくる場合もありますのでご注意ください)
また、工場代車で度々問題になるのが「ガソリン代」になります。レンタカーであればそういうことは中々ないと思いますが、工場代車は貸し出してお金をもらおうとしている工場は少ないので、ガソリンは常に満タンに管理していない所もあるでしょう。
こういった場合、「借りた時の状態に戻す」のが一般的です。
工場代車を含めた代車のガソリンについては、下記の記事に詳しく書きましたのでご確認ください。
工場代車(サービス代車)とレンタカーと損保代車
工場代車とレンタカーがごっちゃになられている方が多いので、ここからは、工場代車とレンタカー、そして損保代車についても解説していきます。
工場代車とレンタカー
工場代車とレンタカーの違いは、レンタカーは比較的綺麗な車に乗れることが多いのですが、工場代車はディーラーや修理工場が無料で貸し出す事が多いので、多くの場合は型の古いコンパクトカー以下の車が用意されます。
また、レンタカーは「わ」・「れ」ナンバー、工場代車はレンタカー登録していないので「わ」・「れ」以外の車になります。
さらに、工場代車は無料で貸し出されることが多いのですが、レンタカーは有料になりますので保険で補償される方が借りる代車の場合はレンタカー、保険の補償がされない方の代車は工場代車となることが一般的です。(もちろん実費負担でレンタカーを借りる事はできます)
損保代車としての工場代車やレンタカー
事故や故障の際に、保険を使って用意された工場代車やレンタカーなどの代車のことを損保代車(そんぽだいしゃ)と呼びます。
損保代車は普通のレンタカーに比べるとレンタカーする期間が長期になりがちという面から、一般の方が普通に借りるレンタカー料金よりも割安となることが多く、この損保代車の価格を損保価格(そんぽかかく)といいます。
工場代車(サービス代車)の料金を保険会社が支払うのは違法じゃないの?
最初にお伝えした通り、工場代車のような「わ」、「れ」ナンバー以外を貸し出して利益を得ることは法律で禁止されています。
では、事故や故障などで損保代車として工場代車を出した場合、保険会社はその貸出料金を工場に支払っているのでしょうか?
その答えはYESとなります。
その理由としては、保険会社はレンタカー料金としてではなく「謝礼」として工場に料金を支払っているのです。
まぁ違法にならないように言い方を変えただけですのでグレーゾーンといえばグレーゾーンですね。
工場代車(サービス代車)を借りても利用者は罰せられない
ここで気になるのが、工場代車を借りている場合違法で警察に捕まるなどの処罰を受けてしまうんじゃないか?という事です。
答えとしては、利用者が罰せられることはありませんのでご安心ください。
保険会社が、工場代車の料金を謝礼として実際に支払っているので、工場の方も罰せられることは限りなく低いのですが、もし罰せられるとしたら工場の方です。
また、もちろんですが無償で工場代車(サービス代車)を借りていた場合は、法律にはふれません。
工場代車(サービス代車)の料金を請求された場合の対応はあなた次第です
ここまでで、工場代車を貸し出して利益を得ることは法律に違反しているという事を説明させて頂きました。
では、実際に工場から工場代車に「お金がかかると言われた」、「最後に請求された」場合の対応はどうするのが正解でしょうか?答えとして、私が言えるのは「今までの情報でどうするか決めましょう」ということになります。
どうしても納得いかないという方は、弁護士さんに相談して「法律的に支払い義務はありませんよ」と相手に伝えるのがいいと思いますし、「まぁ期間も短く料金もそんなに高くないから払うか」という方は、払って終わりにするのもありだと思います。
また、「違法だから払いたくない」という方は、保険会社が「謝礼」として支払っていることと同じように謝礼として支払えば問題は無いように思います。
まとめ
工場代車を有料で貸し出すのは確かに法律に触れるものの、保険会社が謝礼として支払っていることを鑑みると、「違法だ!!すぐに裁判だ!!」というには中々難しい部分があるように感じます。
ただし、工場代車は車の修理期間に借りるものという特性を考えるとその料金は高額になりやすいということも考えられるので、納得できない部分がもしある場合は工場には納得できないと伝えるべきでしょう。
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