投稿日 2023-05-30 | 最終更新日 2023-11-29
普段運転している車のガソリンをガソリンスタンドで給油する場合は中々ないと思いますが、代車を借りている場合は、うっかりいつも運転している車と同じガソリンを入れてしまう事も起こりうると思います。
そこで、本記事では軽油とガソリン(レギュラー、ハイオク)の違いと、万が一代車に間違って給油してしまったらどうなってしまうのか?やその対処方法について解説していきます。
ガソリンと軽油(ディーゼル)
よく言う「レギュラー」や「ハイオク」はガソリンに分類されますが軽油(ディーゼル)はガソリンではありません。その大きな違いは「価格」であり、軽油はレギュラーやハイオクに比べて販売価格が低くなっているということですが、これは軽油がガソリンを作るよりも簡単にとれるものだからです。
ガソリンと軽油の製造方法
日本では、北海道にある「勇払油ガス田(ゆうふつゆがすでん)」など全国で10ヵ所程度ある油田から、わずかではありますが原油を採掘しています。
日本ではわずかしか原油はとれませんので、そのほとんどが中東を筆頭とした海外からの輸入に頼っています。輸入してきた原油は製油所にて石油蒸気になった後、重油となり、軽油(ディーゼル)となり、灯油となり、ガソリンとなり、最後は石油ガスに分けられます。
種類と特徴
前述させて頂いたとおり、レギュラー、ハイオク、軽油では蒸気になる温度がそれぞれ違うので、それを利用してそれぞれが採取されています。
ここでは、ガソリンスタンドで普段よく目にするレギュラー、ハイオク、軽油の特徴を解説します。そしてそれぞれの説明に出てくる「オクタン価」と「ノッキング現象」について軽く解説させてください。
オクタン価
オクタン価とはガソリンのエンジン内での異常燃焼のしにくさを数値にしたものです。スポーツカーなどは普通車に比べてパワーがいるので、燃料の圧縮率を高めて高出力を得ていますが、そうすると異常燃焼も起こりやすくなってしまいます。そうならないためにハイオクを指定しているという事です。
ノッキング現象
ノッキング現象とはエンジンに負荷がかかった際に異音や振動などが起こる現象の事で、このノッキングを起こしてしまうとそれ以上出力が上げられないばかりか、最悪エンジンが壊れてしまう可能性があります。
レギュラー
レギュラーガソリンは日本で一番利用されている燃料であり、その特徴としては気化しやすいという点で、35度~180度で蒸発すると言われています。
これは言い換えると、火を近づけた際にすぐに燃える性質を持っているということですが、ガソリン内にはすぐに引火しないように添加物が入っているのでそこまで低温では引火しないようになっているものの、レギュラーガソリン自体は引火しやすい性質があるので注意が必要です。
また、オクタン価は89以上となっています。
ハイオク
日本のハイオクガソリンはオクタン価96以上となっているので中々ノッキング現象が起こりにくくなっています。
また、値段は燃料の中で一番高価であり、現在はレギュラーガソリンに比べて10円程度高くなっています。
ハイオクガソリンには添加物以外に洗浄剤もはいっており、続けて使用するとエンジンが綺麗になる効果が期待できます。
軽油(ディーゼル)
軽油は240度~350度で蒸発するので、レギュラーガソリンに比べると気化しにくくなっています。
また軽油には特1号・1号・2号・3号・特3号と5種類があり、流動点が特一号は5度以下、特3号は-30度以下となっており、夏には特1号や1号、寒い地域では3号や特3号を使うといったように温度差がある地域ごとに使い分けてあります。
軽油は耐久性が高く、構造が簡単という理由からショベルカーやクレーン車といった重機、トラックやバスなどの大型車に使われることが多いのです。
外車がハイオク指定な理由
輸入車のディーラーに車を預ける場合、代車として外車を借りる方もいらっしゃると思います。
ヨーロッパのガソリンはオクタン価91が日本でいうレギュラーガソリンのような一般的なガソリンとして使用されています。アメリカではレギュラー90程度、ミドル95程度、ハイオク98以上となっています。
日本のレギュラーガソリンはオクタン価89以上となっているので都合が悪いわけです。その理由から、日本で外車に乗る場合はオクタン価96以上であるハイオクが指定されているのです。
代車のガソリンを入れ間違えてしまった場合
指定された燃料を間違えたということはよく起こる程ではありませんが、全国で一定数起きてしまっています。
そして、その中で一番よく聞くのが「軽自動車だから間違って軽油をいれてしまった」というものです。
ここで、一番間違えてはいけないのが軽油(ディーゼル)とガソリン(レギュラー、ハイオク)を入れ間違えるという事です。
レギュラーとハイオクを入れ間違えた
ガソリン指定車にハイオクを入れてしまっても、ハイオク指定車にレギュラーを入れてしまっても同じガソリンのため問題はないでしょう。
ただしレギュラーガソリン用のエンジンはレギュラーガソリンで最大のパフォーマンスが出るように、ハイオクガソリン用のエンジンはハイオクで最大のパフォーマンスが発揮できるように設計されていますので次回からは指定のガソリンを入れるようにしてください。
また、ハイオクには洗浄剤が入っており、これがエンジンを綺麗にする効果があると言われる方もいらっしゃいますが、実際には1回で効果があるほどのものではありません。
ガソリン(レギュラー、ハイオク)と軽油(ディーゼル)を入間違えた
ハイオクやレギュラーガソリン指定車に軽油を入れてしまったり、軽油指定車にハイオクやレギュラーガソリンを入れてしまったら大変です。
軽油(ディーゼル)指定のエンジンは燃料と空気を混ぜた状態で圧力を高め、高温によって自然着火させるエンジンですので、ガソリンだけではエンジンはかかりません。
ただ、タンクの中に軽油が残っているので、始動してしまいますが、ガソリンには十分な潤滑性がないために燃料噴射ポンプが破損してしまいます。
この場合、気づいたらすぐにエンジンを切り代車を借りている先(ディーラー、整備工場、中古車販売店など)に連絡しましょう。
修理工場によってはレッカー車で搬送までしてくれる場合があります。
気づかずに走行していると、燃料の噴射ノズルが故障してより多額の修理代がかかってしまいますので、気づいた時点で停車して走行をストップしてください。
間違った給油をしないために
日本のガソリンスタンドではノズルの色は統一されています。ハイオクは黄色、レギュラーは赤、軽油は緑となっているのです。ちなみに灯油は青に設定されています。
代車を借りる際にガソリンの種類を聞き、レギュラーガソリンを入れている方は「ガソリンスタンドでは赤のノズルから」という形で2重チェックをすることで確実にミスをしないようにしましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。原油から軽油、ガソリンまでの製造過程を理解すると「なぜ軽油は安いのか?」や「ハイオクが一番高い理由」などが理解できると思います。そして、給油を間違えた場合はガソリンと軽油を間違えるのが一番まずいので、気づいたらすぐにエンジン停止をして応援を呼ぶようにしましょう。
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• 代車のガソリンは満タン返し?借りる時に満タンじゃなかった場合についても解説
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