投稿日 2023-06-02 | 最終更新日 2023-11-29
代車の費用を相手の保険会社に補償してもらうためには
交通事故のあと車を修理している期間や、全損となり新しく車を購入する期間に代車の費用は相手側に請求できるの？と疑問を持たれる方もいらっしゃると思います。
その答えとしては、まずは相手の保険会社に以下３点を認めてもらう事が重要になってきます。
① 代車の必要性
② 車種の相当性
③ 期間の相当性
それぞれ解説していきます。
① 代車の必要性
代車の必要性とは車の修理中や車を買い替える期間に本当に代車が必要なの？という意味です。
具体例としては、「通勤で普段乗っている」や「仕事中に使っている」などがあげられます。
「普段通勤で使用している車だけど、車はもう一台所有しており修理期間中はその車で通勤できる」の場合は代車の必要性はないとなりますのでご注意ください。
ただ、保険会社もそこまでつっこんで聞いてくる事はあまりないので「修理期間（買い替え期間）に代車が必要だから用意します」でいいと思います。（※絶対ではありません）
② 車種の相当性
車種に関しては、例えば10対0の事故（あなたが0）で事故にあった車が軽自動車だった場合、ヴォクシーなどのボックスカーやレクサスなどの高級車を借りる事はできません。
借りられるのは事故にあった車の同車種や同等車になります。
この同車種や同等車というのは高級車で事故をしてしまった場合も同じ考え方になりますので、レクサスでの事故であればレクサス、ベンツでの事故であればベンツという事になります。
ただし例外もありますので、例外となるケースを2点ご紹介させていただきます。
1. レンタカー特約（代車特約）を使う場合
あなたが加入している自動車保険にレンタカー特約を付けており、その特約を使う場合は設定している金額で借りられる範囲内の車種を代車としてレンタカーで借りることになります。
例えばレンタカー特約を日額10000円に設定していて軽自動車で事故をしてしまった場合、代車としてレンタカーで借りられるのは軽自動車のみではなく、日額10000円の範囲内で借りられる車種となるのです。
レンタカー特約で借りられる車種については、日額5000円、7000円、10000円で借りられる代表的な車種を記事にさせて頂きましたので下記記事をご確認ください。
2. 事故にあった車が超高級車だった場合
いくら同車種や同等車といっても、たとえばポルシェで事故を起こされた場合（あなたの過失割合は0）、同じポルシェを代車として借りられるか？というと中々難しい部分はあると思います。
もちろんあなたの過失割合が0なのですから、同車種や同等車を用意するように主張することはできます。
ただ、それを保険会社が認めるかどうかは別問題となっているのです。
保険会社はできるだけ支出は減らしたいので「事故にあったお車はポルシェですが、修理期間中はプリウスでもよろしいですか？」などと聞いてくることが多いのです。
これは過去に裁判があった事例もあり、保険会社からすれば「本当に同等車じゃないといけないの？」となるのです。
このように、同車種や同等車という考え方は絶対ではなく、最終的にそれを認めるかどうかは保険会社によって違いますし、もっと言うと保険会社の担当者によっても違ってきます。
③ 期間の相当性
代車を借りることができる期間は、車を修理する場合は修理が終わるまでの期間、全損で車を買い替える場合は一般的には1ヶ月間になります。
なので車の修理が1週間で終われば1週間、1ヶ月かかったなら1ヶ月間は補償されるということになります。
ただ、ご自身が入っているレンタカー特約（代車特約）を使う場合は期限が設定されていますので、混合して考えないように注意してください。
また修理が1週間で終わり、修理に出していたディーラーや工場から「終わりましたので取りに来てください」と連絡があったらできるだけ早く代車を返しに行くようにしてください。
先ほどお伝えした通り、代車が補償されるのは修理が終わるまでの期間になりますので早急に返却しないで何週間も代車を借りていると保険会社も「その期間はもう修理終わってましたよね？」と補償をしてくれない事もあるからです。
もし、事情があり返却が少し伸びる場合は必ず修理に預けているディーラーや修理工場に連絡を入れましょう。
また、車を買い替える場合は、一般的には1ヶ月とされていますが絶対に1ヶ月と決められているわけではありません。
事情があり、1ヶ月では足りない場合は保険会社の担当者に期間を伸ばせないか交渉するといいと思います。
また、それ以外の方法として全損で車を買い替える場合に限りますが、レンタカー特約を使って代車の期間を伸ばす方法を以下の記事に記述しましたので参考にして頂けたらと思います。
事故時の代車費用は相手に請求できるの？
その答えとしては、ケースによって相手に請求できる場合もあれば最悪自腹で払わなければいけないこともあるとなります。
そこでここからはどのようなケースでは代車の費用を相手に請求出来て、どのようなケースでは自腹で払わなければいけないのかをケース毎に解説していきます。
事故の過失割合が10対0のケース（あなたが0）
このケースでは、修理期間中か車を買い替える期間の代車代はすべて請求することができます。
期間としては、修理で2週間程度、買い替えで1ヶ月程度とされていますが、事故の程度によりそれ以上修理に時間がかかってしまうことももちろんあります。
修理に出していれば、期間が長引く場合でもレンタカーを借りた先であるレンタカー屋さんか、修理に出している修理工場さんが保険会社に期間が長引くことを随時報告しているはずです。
ただ、車を買いかえる期間に代車を借りているようであれば、代車を借りられる期間の交渉はご自身で行う必要がありますので注意してください。
過失割合が10対0だった場合の代車については下記記事で詳しく解説しています。
9対1や7対3などあなたにも過失がある事故の場合
このケースでは自分に1割過失があるのであれば、相手から9割分は請求できると考える方が多いと思います。
その考えは正しく、例えば9対1（あなたが1）の場合は怪我をしてしまったらその治療にかかった費用の9割は補償されますし、車を修理する場合も9割は補償されるので、修理期間中に借りる代車についても同じなはずです。
しかし、実際は1割でも過失があれば「お互い過失があるのでご自身の保険を使ってください」と相手の多くの保険会社は言ってきます。※全てではありません
その理由としては、あなたがレンタカー特約に入っていれば、その契約されている金額分のレンタカー費用はあなたの保険で賄う事ができ、このレンタカー特約を使ったからといって等級が下がることはないためです。
保険会社からすると「お互い過失があるんだし、あなたのレンタカー特約を使っても等級には影響はないんだからいいですよね？」となるのです。
ここで、レンタカー特約に入っていないのに保険会社のいう通りに「分かりました。代車の費用は各自で負担すればいいですよ」と認めてしまうと最悪自腹で支払うことになってしまいます。
繰り返しになりますが、正当なのは車や体の怪我と同様に過失割合分は相手に請求ができるということです。
相手の保険会社の担当者にしっかりと話をして、それでも認めないので払えないというのであれば、弁護士さんにお願いするのも一つの手です。
まずは自分が加入している保険で「弁護士特約」に入っているかどうかを確認してください。
弁護士特約も使ったからといって等級は下がりませんので、納得ができないのであれば使うのもありだと思います。
過失割合がお互いにある事故については下記記事に書かせていただいています。
故障や単独での事故や自分に100％過失がある事故
この場合は自分の保険内でレンタカー特約を使って代車を借りることになります。
ただ、これはレンタカー特約を自動車保険に付けている方のみが補償されることになります。
もしレンタカー特約を付けていなくてもロードサービス内で補償してくれる保険会社もありますので詳しくは下記をご確認ください。
代車として借りるレンタカー代が補償されない時の対応について
相手がいる事故で自分に過失がある場合や自損事故や故障の場合、ロードサービスでレンタカー代を補償している保険会社でなければ、レンタカー特約に入っていないと代車費用の補償はされません。
ただ、それでも諦めるのはまだ早いです。
レンタカー特約にも入っていなく、ロードサービスでも代車の補償をしてくれる保険会社に加入していなかった場合は下記記事を参考にしてください。
ディーラーや修理工場は工場代車（サービス代車）を所有しているところがあり、多くの場合は無料で貸し出されていますので、電話で確認をして車を用意してくれるという約束をしてから修理に出せば確実です。
ただあなたに過失割合があり全損として処理をして車を買いかえる場合は、修理に車を出さないのでこの手は使えません。
ただ、車を買い替える期間の代車は販売店の中には必ず車を買う事を条件に代車を用意してくれる所もありますので、購入場所が限定されてもいいならば利用するべきだと思います。
まとめ
自分に過失が一切ない事故の場合は、相手の保険会社が補償をしてくれますが、それ以外の事故・故障に関しては自分の保険を使うか、最悪、自腹で払うしかありません。
その際に「レンタカー特約に入っているのか？」ということが代車としてレンタカーを借りる際の費用では重要になります。
もしレンタカー特約に入っているようであれば、修理期間中のレンタカーは無料で借りる事ができます。（レンタカー特約のみを使っても等級は下がりません）
レンタカー特約に入っていないようであれば、加入している保険会社はロードサービスでレンタカー代金を補償してくれる保険会社なのか？を確認してみてください。
• 代車の費用の相場は？代車（レンタカー・工場代車）の料金の目安について解説
• 自動車保険で工場代車は借りられる？日額の料金などかかる費用についても解説
• 事故で代車を借りた際の期間は？代車の種類や事故のケース毎に解説
• 事故で過失割合10対0の代車費用や期間は？全損で買い替えのケースも解説
• 交通事故で過失割合9対1の代車（レンタカー）の費用や修理費は？全損の場合も解説
• 交通事故で過失割合8対2の代車（レンタカー）の費用や修理費は？全損の場合も解説
• 交通事故で過失割合7対3の代車（レンタカー）の費用や修理費は？全損の場合も解説
• 外車で事故をした場合の修理期間中の代車は同等車に乗れる？【ケースによります】
• 車が故障したのに代車がないときの解決策!!保険利用や買い替える場合など
• 代車の費用はいくら？コストを最小限に抑える方法をケース毎に解説
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